official site

Column

コラム

official site
2021/09/17
アスリートフードマイスターに聞く!Vol.15 バレーボール編 髙橋塁選手

【アスリートフードマイスターに聞く!Vol.15 バレーボール編 髙橋塁選手】

管理栄養士とアスリートフードマイスター1級の資格を持つ奥村(生産開発部研究開発グループ所属)が今回チェックするのは、日本大学バレーボール部に所属する髙橋塁選手(21)。弟の藍選手も、先の東京五輪で男子バレーボール日本代表として活躍したホープであり、昨年末に奥村が食生活習慣についてアドバイスを送った。兄の塁選手は、京都府の東山高校バレーボール部の2年生時にインターハイ3位に入賞し、優秀選手賞を受賞。翌年の3年時には全日本ジュニアオールスタードリームマッチ代表手に選出され、高校卒業後は日本大学に入学した。1年生からレギュラー入りを果たし、主力としてチームをけん引する注目の若きアスリートだ。そんな伸び盛りの髙橋塁選手に対し、奥村は三つの改善点を見出した。

1日の食事記録をチェックする

アンケート結果によると、髙橋塁選手の身体測定値は身長186㌢、体重80㌔(空腹時)。トレーニング頻度は週2~3日。1日の野菜の摂取量は小鉢2~3杯で、揚げ物は週4~5日となっています。食生活習慣に関する悩みについては、「好きな甘いものをつい食べてしまう」ことを挙げています。1日の食事および活動記録は以下の通りです。

髙橋塁選手の食事記録について、はじめに良かった点について解説します。寮でのバイキング形式の朝食、夕食(いずれも写真参照)では、1日の体に必要なエネルギーを満たせるよう、量をしっかり摂ることができていました。さらに、たんぱく質のおかずも肉だけに偏ることなく、魚、卵、豆とバランス良く食べています。このほか、ご飯、たんぱく質のおかず、野菜を毎食食べていることに加え、1日のうちに果物や乳製品もしっかり食べている点は非常に素晴らしいと思います。基本的に栄養バランスを意識した食事ができていますが、今回はより良くするためのポイントを2点挙げたいと思います。


【朝食(写真左)】
ご飯、みそ汁、野菜(キャベツ、レタス)、スクランブルエッグ、豚肉の炒め物、天ぷら(かぼちゃ1個、ちくわ2個)、サバの塩焼き1切れ、のり、オレンジ3切れ
【夕食(写真右)】
ご飯、ポークビーンズ、野菜(キャベツ)、筑前煮、ほうれん草と豚肉の炒め物、牛肉コロッケ1個、唐揚げ1個、豚カツ半分、納豆

 

揚げ物の食べ過ぎに要注意

一つ目は、「揚げ物を食べる量」についてです。朝食でかぼちゃとちくわの天ぷら、さらに夕食に牛肉コロッケ、唐揚げ、豚カツを食べており、1日のうちの脂質摂取量が多いことが気になります。もちろん、揚げ物を食べること自体は悪くありません。しかし、食べ過ぎてしまうと脂質の摂取量が増えることで体脂肪がつきやすくなるため、食べる量や頻度は注意が必要です。
さらに、疲れが溜まっているときや試合前などでストレスを感じているときは胃腸の調子が悪くなりやすくなる傾向があります。そのような時に、脂質の多い食事は消化・吸収に負担を掛けてしまい、胃もたれを起こしてしまいます。結果的にコンディションが万全でない状態で試合に臨むことになり、パフォーマンスの低下にもつながる恐れがあるため、ひどく疲れを感じる時や試合前は揚げ物を控えることが望ましいです。

揚げ物を食べることで心身のリフレッシュになることもあるので、食べるときは食物繊維を含む食材を一緒に食べるように心掛けましょう。食物繊維は脂肪の吸収を抑える働きがあり、摂取することで腸内細菌から短鎖脂肪酸が作られ、腸内環境を整えてくれます。最近では、短鎖脂肪酸の一つであるプロピオン酸がアスリートのパフォーマンス向上に寄与することも報告されています(Frampton, J., Murphy, K.G., Frost, G. et al. Short-chain fatty acids as potential regulators of skeletal muscle metabolism and function. Nat Metab 2, 840–848 (2020).)。

それを踏まえて、髙橋塁選手の食事記録から、キャベツやレタスの葉物野菜、ポークビーンズや納豆などの豆類、きのこやイモ、ごぼうが含まれる筑前煮など食物繊維を含む食材を多く食べられていました。引き続き、揚げ物と一緒に食物繊維を含む食材を食べることを意識してほしいです。
ただし、食物繊維は多く摂ると腸内ガスが多く発生し、下痢になることがあります。日頃から食べ慣れている野菜や果物の量であれば問題ないと考えられています。試合前に急に量を増やすことは避けた方が良く、体調に合わせて量を調整してください。

■緑黄色野菜の摂取を意識しよう

二つ目は、ほうれん草やにんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、ピーマンといった緑黄色野菜が少なかった点です。緑黄色野菜は抗酸化作用があるβ-カロテンを豊富に含み、ストレスや風邪などの病気から体を守ってくれる働きがあります。これらの野菜を意識して摂るよう心掛けてみてください。

「揚げ物の量の調整」と「緑黄色野菜の摂取」。この二つのアドバイスを、今回の朝食・夕食のメニューに反映させると、どう変化するのかを考えていきたいと思います。
まず、朝食をみていきます。緑黄色野菜のかぼちゃを天ぷらにして食べている点は良いと思いますが、ブロッコリー2房ほどの付け合わせがあるとなお良いでしょう。揚げ物に関しては、豚肉の炒め物、サバの塩焼き、スクランブルエッグと、たんぱく質のおかずをしっかりと食べているため、ちくわの天ぷらを外しても問題ありませんが、物足りなく感じる場合は食べても大丈夫です。
夕食の揚げ物については、朝食に続いて食べる量が多くなっているので、量を減らしましょう。参考までに朝食でかぼちゃとちくわの天ぷらを食べていることに加え、夕食では牛肉コロッケ、唐揚げ、豚カツを食べています。たんぱく質のおかずはポークビーンズの豚肉、うずら卵、大豆、ほうれん草と豚肉の炒め物、牛肉コロッケ、唐揚げ、豚カツ、納豆と多いため、牛肉コロッケを外しても良いでしょう。緑黄色野菜の摂取に関しては、ほうれん草と豚肉の炒め物にあるほうれん草の量を増やすようにしましょう。
品数を減らしたことで量が足りないと感じる場合は、その代わりに筑前煮の量を少し増やすことをお勧めします。煮物や茹でた物は脂質の量が抑えられるため、ぜひ今後のメニュー選びの参考にしてみてください。

甘いものの摂取はルール化しよう

最後に、アンケートに挙がった「甘いものが好きでつい食べてしまう」という悩みについて、アドバイスをしたいと思います。好物を食べることはストレス解消になりますが、ケーキやクッキーなどの洋菓子はバターや生クリームなどの脂質を多く含むため、揚げ物と同様に体脂肪が増える原因となります。そのため、食べる量や頻度には注意が必要です。
かといって、食べることを我慢するとストレスになり、その反動で食べ過ぎてしまうことにもつながりかねませんので、「練習がない日に食べる」「週2日の頻度で食べる」など、自分でルールを決めることをお勧めします。
また、同じ甘いものでもカステラやどら焼き、まんじゅうなどの和菓子は脂質が少なく糖質が多いため、練習前後のエネルギー補給のための補食としては最適です。これらの補食を摂るタイミングとして、小腹が空く場合は練習開始の1~2時間前が良いでしょう。ただ、和菓子も砂糖を多く含むため、過剰に摂りすぎてしまうとエネルギーとして使われない分は脂肪として蓄積されるため、食べ過ぎには気をつける必要があります。


今回、奥村は「揚げ物」と「緑黄色野菜」、「甘いもの」の摂取について指摘した。三つのアドバイスを送られた髙橋塁選手は、「揚げ物を減らして、キャベツ以外の野菜を意識して摂取していきたいと思います」と前向きにコメントし、“ルール化”を勧められた甘いものについても、「オフの日のご褒美として食べたいと思います!」と改善を図っていく。弟の藍選手は、先の東京五輪でも日の丸を背負い躍動した。もちろん、兄としても、一人のアスリートとしても負けらない気持ちがある。今は、「弟と同じステージでバレーをする」ことが大きなモチベーションだ。純粋なリスペクトの気持ちを抱きつつ、熱い反骨心も持ち合わせている。

髙橋塁選手が飲んでいるサン・クロレラAはこちら

■髙橋塁選手の関連記事

■アスリートフードマイスターに聞く! 記事一覧

ARCHIVE