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サン・クロレラの取り組みや
サポートするアスリートたちのTOPICS。

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vol.16
ブルーの凱歌が、聴こえる。

西村 大介
(滋賀レイクスターズ代表取締役社長 兼 ゼネラルマネージャー)
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ショーン・デニス
(滋賀レイクスターズヘッドコーチ)
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中山 佑介
(滋賀レイクスターズ パフォーマンススーパーバイザー)
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中山 太
(サン・クロレラ代表取締役社長)

ブルーの凱歌が、聴こえる。 前編
2020/01/24

この記事はSunChloLetter Issue05(2019年12月発行)の転載です。

マザー・レイクの愛称で親しまれている琵琶湖。その湖面を疾るクールな風とは対照的に、ブースター(ファン)の熱気と、その声援の大きさは、バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の数あるチームのなかでもトップクラスとの評判が高い滋賀レイクスターズ。Bリーグ西地区に所属し、滋賀県で唯一のトッププロスポーツチームである。2017年にはオーストラリアやニュージーランドで何度もコーチオブザイヤーに輝いた実績を持つショーン・デニスをヘッドコーチに迎え、2018年シーズンからはかつて京都大学アメフト部で監督を務めた西村大介を代表取締役兼ゼネラルマネージャーに据えた。そして今シーズンからはバスケットボールの本場アメリカNBAにおいて日本人トレーナーとして活躍し、かのスーパースター選手であるレブロン・ジェームズとも同じクリーブランド・キャバリアーズに5年間在籍した中山佑介がパフォーマンススーパーバイザーに就任。同じくしてわれわれサン・クロレラもメインスポンサーを務めることになったのだった。着実にチームがひとつとなり、強豪チームへの道を歩み始めた滋賀レイクスターズ。今シーズン、彼らの奏でる美しくも誇り高い凱歌を、あなたもきっと耳にすることになるだろう。

サン・クロレラがレイクスターズのブースターになった理由。

サン・クロレラと滋賀県は、もともと強い絆で結ばれている。美しい湖岸を走る「びわ湖レイクサイドマラソン」の特別協賛企業として、長きにわたってサポートをしてきた。また大津市に本店を構え、80年以上の歴史を有する滋賀銀行との縁も深い。ちなみにレイクスターズの練習場は、滋賀銀行の保有する体育館だ。
また滋賀県は「健康しが」というコンセプトのもと、医療、食、スポーツなどによって健康増進させる取り組みを進めている。この取り組みにはレイクスターズも参画し、スポーツ教室などを通じて滋賀県民の健康づくりに貢献しているが、こうした活動は「健康長寿」を掲げるサン・クロレラの企業理念とも重なる面が大きい。だからこそ、京都の企業でありながら、滋賀のプロバスケットボールチーム・レイクスターズのスポンサーとなることは、とても自然な流れだったのだ。
まずは昨シーズンからメイン・サプライヤーとして製品を提供。レイクスターズの選手たちは、ふだんからサン・クロレラの製品を愛用し、彼らのロッカールームにはいつも並んでいる。それは、いつしかおなじみの風景となっているという。
そして今シーズンからはメインスポンサーとなり、レイクスターズのユニフォームの胸にはサン・クロレラのロゴが踊っている。それは、サン・クロレラが単なるスポンサー企業ではなく、レイクスターズとともに戦うメンバーであり、チームを鼓舞するブースターとしての責任感をより強めることとなった。
その記念すべきファーストシーズンが、10月に幕を上げた。そこで、サン・クロレラ代表取締役社長の中山太が、西村大介代表取締役兼GMと、ショーン・デニスヘッドコーチ、そして中山佑介パフォーマンススーパーバイザーにインタビュー。今シーズンへの意気込みや、昨シーズンと比べて変化したところ、アメリカやオーストラリアとのバスケットボール文化の違いから今後のチームの展望まで、さまざまな観点から話を伺った。

戦士となるための、フィジカル

中山太 サン・クロレラ代表取締役社長(以下:中山):現在2019年シーズンが始まって3週間、戦績2勝5敗で西地区の4位(取材が行われた2019年10月22日現在)ということですが、現状についてどのように分析されていますか?

西村大介 滋賀レイクスターズ代表取締役社長(以下:西村GM):いまの戦績や順位に関してはまったく気にしていません。理由は、昨シーズンに比べて若くポテンシャルのある選手が集まっていて、ここから成長していくチームだということ。もうひとつ重要なのは、今シーズンは後半にちゃんと点を取れていること。ここが後半に必ず失速してしまっていた昨年と大きく変わったところです。

中山:たしかに僅差の試合ばかりですし、後半に追い上げているパターンが多くなっていますね。失速しなくなった最大の理由はなんですか?

西村GM:ひとつはフィジカルの強化。やはりなんといっても今年から中山佑介パフォーマンススーパーバイザーに、チームのフィジカルをレベルアップしていただいたことが大きいと思います。これまでだったら相手選手に押し負けたり、後半に体力的に失速したりしていたところが、かなり改善して戦えるようになりました。

中山:佑介PSVはNBAというバスケットボールのなかでもトップステージを経験されて、そのなかでもスーパースターであるレブロン・ジェームズらとも同じチームでトレーナーとして活躍されてきました。そうした環境から、いまBリーグというフィールドに来られたわけですが、逆にBリーグにアジャストするにあたって注意されたことはありましたか?

中山佑介PSV:5月にレイクスターズの選手たちとトレーニングを始めるにあたって、最初に個別面談をして選手を知るところから始めました。ぼくはそれまで、日本人は自分がやってきた従来のルーティンを変えて、新しい取り組みを導入することに消極的なのではないか?と考え、不安視していました。ところがレイクスターズの選手たちはみんな話をよく聞いてくれるし、ぼくが提示した目標を信じて積極的に取り組んでくれました。こちらの提案に対しても『まずはやってみよう』という前向きな気持ちを見せ、プロフェッショナルとして、とても意欲的に学んでくれました。じつはここへ来る前はそうしたトレーニング文化の違いを理解してもらうことが最初にして最大のチャレンジになるだろうと予想していたので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。ともかく、その点についてはまったく苦労することなく、とても早いペースでプログラムを進めることができました。

中山:そうした選手たちのポジティブな姿勢というのは、もともと選手たち自身が持っていたものだったのでしょうか?
それとも西村社長から事前にサジェスチョンのようなものがあったのですか?

西村GM:変な言いかたになるかもしれませんが、うちの選手たちはみんな「いいヤツら」なんです(笑)。それに加えて、やはりNBAを経験している中山佑介PSVのバックグラウンドが、彼らにものを言わせないところがあったと思います。昨シーズンが終わったあと、じつは2週間しかオフを取らずにすぐにトレーニングを始めるようみんなに伝えました。正直なところ最初はブーブー文句を言う選手もいましたよ。しかし中山佑介PSVの話に耳を傾け、実際に彼と一緒にトレーニングを始めると、1回目のトレーニングですぐにその質の高さやフィジカルな反応を実感したらしく、それが彼らの意識も変えてしまったようです。やっぱりただ口で言うだけじゃ伝わらない。身体で感じることで説得力が増すんですよね。

中山:選手のコンディショニングに関して、食生活についてもなにかアドバイスをされたりしますか?

中山佑介PSV:ふだんの食生活について、ぼくから細かくアプローチすることはしていません。いちいち『あれを食べろ、これを食べろ』とか『食べたものを報告しろ』みたいなことまでやると選手のストレスにもなりますので、トレーニング前後には必ずしっかり栄養補給をするといったベーシックなところ、アスリートとして最低限このくらいのことは気をつけてほしいという大まかな方向性だけを伝えるようにしています。また24時間チームに帯同しているコーチのほうから『この選手は体重が減少傾向にあります』といった報告があった場合には、トレーニングの量を減らすのか、あるいは食事の量を増やすのかといったことについて、コーチと選手とでしっかりとコミュニケーションをとり、その都度コントロールしています。

中山:アメリカのチームになると、選手の健康管理まで徹底しているようなイメージもありますが?

中山佑介PSV:たしかにアメリカではチームのトレーニング施設内に食堂があったりするので、選手はトレーニングと食事が同じ場所でできていましたね。ただ、日本ではなかなかそこまでの環境は望めないので、与えられた環境のなかでなにができるか?ということで取り組んでいます。

中山:ショーン・デニスヘッドコーチはかつてオーストラリアでもチームを率いていましたが、オーストラリアの選手の食生活についてはいかがでしたか?

ショーン・デニスHC:もともとオーストラリアという国は栄養学が世界でもトップクラスで先進的であるため、遠征中も栄養士が考案した食事メニューがつねに用意されていました。またオーストラリアのアスリート環境でアメリカや日本など他の国と決定的に違うのは、子どものころからなにを食べれば良いかということや、自分自身でテーピングを巻く技術を学んでいることが挙げられます。ここ日本やアメリカといった国では他の専門スタッフが選手のためにあれこれサポートするのが当たり前になっていますが、オーストラリアでは子どものころからそうしたことは自分でやるものだと学んでいるので、やがてプロになったとき、アスリートとして自分の身体をケアするという意識やスキルは子どもの時点ですでに身についている選手が多いと思います。そこがスポーツ教育の部分での大きな違いですね。

中山:佑介PSVは、いまのお話を聞いてどう思われましたか?

中山佑介PSV:そうですね。たしかにアメリカのとくにトップレベルの選手たちになると、もう高校生あたりから特別扱いされているので、スタッフにやってもらうのが当然という感覚で育ってきている選手は多いだろうと思います。あと、これまでに何人かのオーストラリア出身の選手たちと接した経験があるのですが、いまのショーンの話を聞いて彼らが決して特別だったわけではなく、他のオーストラリアのアスリートもみんなそうなんだということがよくわかりました。

ショーン・デニスHC:おそらく日本でもたとえば相撲の力士などは、10代で入門してすぐにあらゆることを自分でしなければならないため、彼らは自分がなにをどうすべきかを理解しているのではないでしょうか?しかし日本のバスケットボールの世界では、まだそういうことに力を入れていないように感じます。やはり日本でも若い学生のころからプロフェッショナルとしてのありかたや、アスリート教育の面に力を入れていけば、もっともっと強くなると思います。

西村 大介
滋賀レイクスターズ代表取締役社長 兼 ゼネラルマネージャー
1977年生まれ。京都大学アメリカンフットボール部ギャングスターズ前監督。小中高とバスケットボール部に所属していたが京大進学時にアメフトに転向。甲子園ボウルでの優勝やドイツW杯で日本代表に選ばれるなど活躍した。2006年から京大アメフト部のコーチ・監督を歴任。昨年より滋賀レイクスターズの代表取締役社長兼ゼネラルマネージャーに就任した。
ショーン・デニス
滋賀レイクスターズヘッドコーチ
1965年生まれ。ニュージーランド女子ジュニア代表チームのヘッドコーチやオーストラリアプロリーグNBLのダウンヒル・クロコダイルズアシスタントコーチを歴任。数々のコーチオブザイヤー賞を受賞している。2016年にはBリーグの栃木ブレックスにてアシスタントコーチとしてチームの優勝に貢献した。
中山 佑介
滋賀レイクスターズパフォーマンススーパーバイザー
1983年生まれ。アメリカの大学院でスポーツ科学博士の資格を取得。5年間にわたってアメリカNBAの強豪クリーブランド・キャバリアーズにてレブロン・ジェームズ選手らの健康管理やパフォーマンス向上を支える立場でNBA優勝に貢献するなど活躍してきた。昨年、日本に帰国。滋賀県にパーソナルトレーニングジムを開業し、レイクスターズのトレーニング指導を務めている。