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2020/09/03
アスリートフードマイスターに聞く!~スポーツのための食事~ Vol.5 バスケットボール編 浦西将介選手 

【3人制バスケットボールの浦西将介選手の食生活習慣をチェック】

臼井選手に続いて食生活習慣をチェックするのは、同じく3人制バスケットボール(3×3:スリーエックススリー)で、京都に本拠地を置くプロチーム「KYOTO BB.EXE」で活躍する浦西将介選手(32)。高校教諭との二足のわらじを履きながら、今年2月に開催された第5回3×3日本選手権ではベスト4の好成績を収めた。FIBA 3×3 WORLD TOURを目指して日々トレーニングで汗を流す中で、食生活習慣の観点からはどれほどの伸び代が隠されているのか。奥村(生産開発部研究開発グループ所属)が分析し、改善点を探った。

エネルギー量の不足をどう補うのか

はじめに、ご回答いただいたアンケートや食事記録のデータを整理します。浦西選手の身体計測値は身長179㌢、体重83㌔(早朝空腹時)。トレーニング頻度は週4、5日。食生活習慣については、野菜や果物はほとんど食べておらず、浦西選手ご自身も「自覚している問題点」として挙げています。一方、牛乳や乳製品は週4~5日摂っています。飲酒量は1週間に350mlの缶ビールを2本程度。また、浦西選手の「1日の活動・食事記録」は以下の通りとなっています。


以上のデータを参考にしたうえで、はじめにトレーニングのある1日に必要なエネルギー量について見ていきたいと思います。

エネルギーは自身の体を維持し、活動していくために不可欠なものです。これが不足することで疲れや集中力の低下、さらに免疫力が低下して風邪を引きやすくなるなどの諸症状の要因になります。必要とするエネルギーは年齢、性別、体重、身体活動量で変化し、アスリートは運動量が多いため、普通の人よりもエネルギー量は多くなります。

浦西選手の情報を元に算出した、一日に必要なエネルギー量は約3,700kcalです。今回の食事記録で一日に摂られているエネルギーを算出したところ約2,800kcalでした。つまり、約900kcal程足りていない結果となっています。浦西選手の食事記録から、エネルギー源となる糖質の摂取量が少ないと考えられるため、糖質を多く含む食品を摂ることをお勧めしたいと思います。
事前のアンケートで、野菜が嫌いなため摂取量が少ないとうかがっています。食べられない野菜の代わりにサン・クロレラAパウダーを2袋利用され、ビタミンやミネラルを補給されているのは大変良いと思います。ただ一方で、クロレラパウダーに含まれる栄養素以上に積極的に摂っていただきたい栄養素があり、それはビタミンCと食物繊維です。それらの栄養素を効率的に摂取できる食品を紹介したいと思います。

糖質の摂取量を増やすために

糖質の摂取量が少なくなると、たんぱく質からエネルギーがつくられるようになり、筋肉量や筋力を低下させてしまう恐れがあります。国際的にコンセンサスが取れたアスリートの糖質摂取の推奨量※によると、継続時間が「中程度」で、「低強度」のトレーニングの場合、体重1kgあたり5~7gの糖質摂取量を目安としていますので、最低でも体重1kgあたり5gの摂取量を意識することをお勧めします。浦西選手の場合、必要な糖質量は415g。食事記録からの推定により摂取されている糖質の量を算出したところ、約270gでした。目標量の415gを摂るために、現在の食事内容に加える場合の食事例を提案します。

▽必要な糖質量を摂るための食事例

糖質を多く含む食品にはご飯やパン、麺類などがありますが、野菜、果物、牛乳・乳製品、飲料等にも糖質は含まれています。現在食べているご飯の量にどれくらいプラスできるのかを考えてみたり、間食としておにぎりを食べてみたりするなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

ビタミンC、食物繊維の摂取量を増やすため

次に、ビタミンCと食物繊維の摂取についてアドバイスをしたいと思います。食物繊維は腸の状態を整えます。野菜が苦手という浦西選手ですが、アンケートによるとイモ類や根菜は食べられるとのこと。そうした嗜好を考慮し、上記で紹介した「必要な糖質量を摂るための食事例」にも挙げたじゃがいも、たまねぎ、にんじん、さつまいも、りんごは食物繊維を含む食物でもあります。これらの食材は味噌汁の具に入れるほか、ポテトサラダなどで食べるのも良いと思います。

また、ビタミンCはコラーゲンをつくるのに必要で、骨や筋肉を保つのに重要です。さらには高い抗酸化作用があり、ストレスや風邪などの病気から体を守ってくれる働きがあります。豊富に含まれる食材としては、ピーマンやブロッコリーなどの野菜、キウイフルーツやイチゴといった果物があります。
浦西選手は野菜が苦手とのことですので、果物が入った市販の野菜ジュースを選んでみてはいかがでしょうか。

野菜ジュースでは1日に必要なビタミンC量を1本200mlで摂ることができます。さらに、じゃがいもに含まれるビタミンCは熱に強いので、加熱調理での栄養素の損失も心配ありません。ご自身の活動状況に合わせて食事の糖質、ビタミンC、食物繊維の量を増やせるよう心掛け、さらなる競技パフォーマンスの向上につなげて欲しいと思います。

野菜ジュースを摂取「今後も継続を」

 奥村のアドバイスを受けた浦西選手は、野菜ジュースの摂取を習慣化していて「食生活について考える良い機会になった」と語っている。苦手な食べ物がある人でも、工夫を加えれば必要な栄養をしっかり摂ることができる。3×3 WORLD TOURを見据える浦西選手。今回の食生活習慣チェックにより、今後ますますパフォーマンスに磨きがかかることだろう。

※ 国際的にコンセンサスが取れたアスリートの糖質摂取の推奨量
(出典:L.M.Burke,et al. Carbohydrates for training and competition. Journal
of Sports Sciences, 2011;29(S1):S17-S27)

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KYOTO BB.EXEのジャーナル『オレの夢は、 オレたちの夢に なった。』はこちらから
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