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Vol.42
世界を変える、20歳の勇気と信念

髙橋藍
バレーボールプレーヤー/日本体育大学バレーボール部

世界を変える、20歳の勇気と信念 前編
2022/01/05

髙橋藍
今や日本のバレーボールに少しでも興味がある人にとって、その名を知らぬ人はいないと言っても過言ではない。海外においても、鮮やかなプレーとさわやかなルックスで、多くのバレーボールファンを魅了している。東京2020オリンピックでの活躍を中心に、その名を世界に轟かせた髙橋藍の2021年を振り返るインタビュー前編では、半年間に及ぶ日本代表活動について語ってもらった

想像できていなかった夢の舞台、東京2020オリンピック

延期されていた東京2020オリンピックが開催され、スポーツの力で日本中が歓喜に沸いた2021年は、髙橋藍にとって想像をはるかに超えた1年だった。
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、男子日本代表に2年連続で選出され、5月から6月にかけて行われたネーションズリーグで、初めて世界と対峙。東京2020オリンピックのメンバー12名に残り、全試合スタメンで出場すると、29年ぶりの決勝トーナメント進出に貢献した。

「(東京2020オリンピックは)はるかに夢の舞台でした。対戦した選手たちの“オリンピックで結果を残す”という圧を受けて、自分自身のバレーボールに対する意識を上げていかなくてはいけないと思いましたし、日本代表として東京2020オリンピックを戦い、技術的にも足りないものが多いと感じました」

思えば2020年も、東山高校3年生時に出場した春の高校バレー(全日本高等学校選手権大会)初優勝から始まり、その功績を評価され日本代表に初選出。コロナ禍で満足な代表活動は少なかったかもしれないが、大学1年生で初めて臨んだ全日本インカレでは、スタメンで出場し準優勝。すでにサクセスストーリーを突き進んでいた髙橋藍だが、2021年はどんな年になると考えていたのだろうか。

「東京2020オリンピックに出場しているところは想像していました。1年延期になったことでその舞台が近づき、あとは自分の伸びしろ次第だと思っていたので。ですが、石川選手(祐希/ミラノ〔イタリア〕)と対角を組んで、スタメンとしてバリバリ試合に出場している姿は想像できていませんでした」

1年延期になったことをプラスにとらえ、東京2020オリンピックに向けてスキルを伸ばし、自身の想像をも超える活躍を見せた髙橋。だが延期となった1年に苦しんだ選手もいた。だからこそ、「自分が東京2020オリンピックに出場できたことに対する責任と、背負うものは大きかった」と振り返る。

2021年の日本代表活動は、思い描いていた以上に充実し、刺激的なものだった。

連戦を支えたセルフケアの意識

3連戦を5回繰り返したネーションズリーグ、1日置きに6試合を戦ったオリンピック、そして7試合を中日1日でこなした9月のアジア選手権と、代表ではハードな連戦が続いた。

「試合が続くとパフォーマンスを維持することは難しいです。トレーニングもできていないので、筋力も落ちてきます」

そんな中、髙橋が大切にしているのは、「リズムを崩さないこと」だと言う。特にメンタル面でのセルフケアには気を遣っている。

「うまくいかなかった日に考えこんでも、次に結果を出さないかぎり、なかなか答えは見つからないと思うんです。ですからうまくいった日に、なぜうまくいったのか、うまくいかなかった日と何が違うのか、を考えるようにしています。これはネーションズリーグを通して感じた気持ちの切り替え方です」

また、髙橋には気持ちを安定させる方法があった。それが、サン・クロレラのサポートだ。
「サン・クロレラさんには頼りっぱなしです。クロレラを飲んでいる、ということで、気持ちが落ち着くと言いますか…。翌日、万全な状態で臨むことができるという安心感があります。もちろん栄養素的なところでも頼りにしていて、海外で満足な食事がとれないときにしっかり活用して飲んでいます」

食生活にも「命をかけている」と笑いながら答えた髙橋にとって、サン・クロレラのサポートは命綱なのかもしれない。

受け取ったのは感謝の気持ち

スター街道まっしぐらの髙橋は、端正なルックスも相まって世界各国に大勢のファンが存在する。インスタグラムのフォロワーは90万人を越え、日本のバレーボーラーの中ではトップクラス。大会期間中はSNSを通じてたくさんの応援の声が届いた。だが髙橋にとって、印象に残ったのは“ありがとう”というファンからの感謝の言葉だった。

「『頑張れ』という言葉は大会前にたくさんいただきましたが、終わってからはもちろん、全体を通して『ありがとう』という感謝の言葉をいただきました。『応援してくれてありがとう』ということはあっても、こちらが『ありがとう』と言われることはなかなかないと思います。自分はバレーボールをやっているだけではありますが、応援してくださる方に勇気や感動を与えられていると感じることができたんです。もっとバレーボールを頑張らないといけないと思いましたし、モチベーションにもつながりました」

応援とともに受け取った感謝は、コロナ禍でお客さんがいない中、保つことが難しいモチベーションを支え、自身がバレーボールをすることで与える影響に気づくきっかけの一つとなった。こうして日本代表で充実の半年間を過ごし、さまざまな経験の中で成果と課題を得た髙橋。代表活動を終えて次に挑んだのは、1年ぶりの大学の舞台だった。