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Vol.46
日本ラグビー界に自分だけの爪痕を。

岡田優輝
ラグビープレーヤー/トヨタヴェルブリッツ

日本ラグビー界に自分だけの爪痕を。 後編
2022/04/06

現在トヨタヴェルブリッツ在籍の岡田優輝は、大学選手権で9連覇を果たした帝京大学で学生時代を過ごした。幾多の怪我や困難を乗り越えるなか、主体性を磨いたという。卒業後は世界で活躍する先輩たちと切磋琢磨し、自分だけの爪痕を残そうとしている。

頂上決戦までの学び

視界に入るのも無理はない。

「2018年1月7日、岡田優輝は東京の秩父宮ラグビー場に立っていた。舞台は大学選手権決勝。帝京大学の12番をつけた。相手の明治大学で8、12番を背負っていたのは何と、幼馴染の前田剛と梶村祐介だった。

小中学生の頃は、近畿大学に進学した喜連航平と4人で伊丹ラグビースクールへ通っていたものだ。岡田は笑う。

「(相手に)梶村や前田がいることはあまり意識しないようにしていたんですけど、やっぱり、見てしまう…。何か、変な感じもしました。…ただ、同じグラウンドで決勝を戦えたのは楽しかったです」

旧友との頂上対決は、岡田のいる帝京大学が21-20と僅差で制した。

梶村の鮮烈な走りもあって前半は7―17とリードされたが、中盤戦以降で驚異的な集中力を発揮。後半20分には、自陣深い位置から速攻を仕掛け、岡田自らがトライを決めた。

前人未踏の選手権9連覇を果たした。

「前半、点差は開いていたと思うんですけど、焦りは感じていなくて。チャンスを見逃さないメンタリティを持っていた。トライの場面ではそれを出せたと思います」

この一戦の前には、卒業後のトヨタヴェルブリッツ入りも決めていた。順風満帆に出世街道を歩んだかにも映る。

ただ実際には、幾多のハードルを乗り越えていた。

振り返れば、当時の岩出雅之監督に誘われて「話をしていても引き込まれる。帝京大学でラグビーをしたらラグビーをしたら成長するなと感じさせられた」と名門に挑戦。1年目の春から1軍の試合に出られた。

そこまではよかった。しかし、「誰かに何かを言われてから行動してしまう部分があった気がしました。緊張もあって、自分を出せなかった部分も…」。全国の俊英が集う帝京大学で求められるのは、組織の方針に主体的にコミットできる人材だとわかった。

自分を見つめ直した。

「帝京大ではプレーのレベルは皆がトップレベル。そこで試合に出るには、ひとつひとつのプレーを大事にしていて、自分が何をしなければいけないかを考えて行動できる選手でした。どれだけ主体的に動いていけるかが大事。身体を張る選手も自分からどんどん当たりにいっていますし、コミュニケーションをとる選手も自分から率先して話している。一歩、待ってからではなく自分から主体的に動いてプレーすると、今度どこのスペースが空くのかの予測ができて、次へ、次へと先のことを考えられるようになる」

踊らされるのではなく、自ら踊る。現在に繋がるマインドチェンジである。

今いるステージを戦うための「基礎」

いわば、「心技体」のうち「心」の充実を勝ち取った岡田だったが、「体」を充実させるには時間がかかった。何せ、怪我に泣かされたからだ。2年時は第5中速骨折、3年時には重度の肉離れ。同級生や後輩が活躍するなか、自分が動けないのは歯がゆかった。

裏を返せば、コンディション作りの重要性がわかった。幸い、帝京大学はトレーニングと食事との連関性を重視するチームだった。ハードな練習を重ねても体重を落とさないために、岡田は「ご飯と麺」の合わせ技でエネルギー源の炭水化物を確保した。

朝、昼、晩の3食がクラブから提供され、あの決勝を戦うための、さらには今いるステージで生き抜くためのベースを築いた。

「1年生の頃はご飯の量が多くてきつかった覚えもありますが、そこが基礎になるなとも感じていました。懐かしい気持ちもあります」

2018年春に入部のトヨタヴェルブリッツでも、栄養士の指導を受けて日々の食生活を管理する。世界的な選手も多く、強度の高い舞台で戦うには、容易に削がれぬ身体の芯をつくらなくてはいけない。身体は、自分で口にするもので作る。

渡りに船だと思ったのは、チームがサン・クロレラの製品を導入したことだ。液体に混ぜて飲む粉末状の製品からは、60を超える栄養素や成分が含まれていると言われる。

水に混ぜると緑色のインパクトのある見た目だが、アサイージュースと混ぜれば美味だと岡田は言う。

「もともと、健康診断でも(数値的に注意が必要だ)…と感じていたので、いいタイミングで出会えました。僕以外の選手も、牛乳、プロテインを混ぜるなど、色々と飲み方を工夫していると思います」

トヨタヴェルブリッツの同僚と言えば、やはり姫野和樹の名が最初に挙がるだろう。ルーキーイヤーからチームの主将を任され、やがて日本代表や海外クラブでも活躍する姫野は、岡田にとっては大学時代からの先輩だ。印象をこう述べる。

「オンとオフのメリハリがある。グラウンド上ではしっかり身体を動かして働いている。ラグビー以外のところでは普通にちゃらける人です。先輩、後輩、関係なくラフに過ごしてくれる、周りが接しやすい人気者です。そうした選手がトヨタで1年目から活躍されているのを見ることで、自分のトヨタでラグビーがしたいという熱は高まりました。その場に行けば、自分もレベルアップができるのかなと」

環境に、出会う人に恵まれた。充実した競技生活を送る岡田はまず、2019年のワールドカップ日本大会以降に増えた新しいファンにも「身体と身体のぶつかり合う音が聞こえる。テレビで見ただけではわからないスピードも感じてもらえると思います。それからキック、ジャンプしてボールをキャッチするという動きも、見たことがない人が見て楽しんでもらえるものです」と呼びかける。

その傍ら、現在進行中のリーグワンでの目標を語る。2月上旬の心境を「試合をするごとにチームとしてよくなっている」とし、こう続けた。

「目標のリーグワン優勝に向けてそれぞれが自分たちの役割、仕事を全うしていけるか、チームとしてまとまっていけるかが鍵になる。長いシーズンは総力戦になる。個人的には、怪我をしないための身体づくりをしたいです。まずはグラウンドに立つことが大事。そして、スタートで試合に出るのが目標です。ただ、リザーブになったとしてもその役割を果たし、もしメンバーに選ばれなくてもチームがよくなれるようなサポートをします」

緑のジャージィに袖を通し、きょうも岡田は自分だけの爪跡を残す。

写真提供:トヨタヴェルブリッツ