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2020/10/30
アスリートフードマイスターに聞く!~スポーツのための食事~ Vol.6 トライアスロン編 小原北斗選手②

【流通経済大トライアスロン部の小原北斗選手の食生活習慣をチェック~第2弾~】

管理栄養士とアスリートフードマイスター1級の資格を持つ奥村(生産開発部研究開発グループ所属)が、今回チェックしたアスリートは、流通経済大トライアスロン部に所属する小原北斗選手(21)。2017年日本U19トライアスロン選手権優勝、2019年日本トライアスロン選手権9位などの好成績を収めている小原選手には、4月にも同様のアンケートを実施。前回、奥村は食生活習慣の改善点として①「昼食と夕食以外に補食を2食プラスすること」と、②「牛乳・乳製品3品、大豆製品1品、海藻類1品、濃緑の野菜1品をそれぞれ毎日摂ること」を挙げていた。それから半年。小原選手の食生活習慣の改善状況をチェックし、さらなるパフォーマンス向上につながるアドバイスを送った。

前回のアドバイスで食生活習慣は良化

まず、今回新たに実施したアンケートの結果を前回と比較すると、2点のアドバイスに基づいて前向きに取り組まれていることがうかがえます。具体的には、練習の合間に補食や野菜を多く摂られているほか、乳製品を食べる頻度が前回までの「週2~3日」から「週4~5日」に増えており、これまで以上に日々の食事に対して栄養バランスを考えていることがうかがえます。あらためて小原選手にご回答いただいたアンケート結果から、現在の1日のスケジュールは以下のようになっています。

▽トレーニングがある日のスケジュール(練習内容・食事内容含む)

さて、以上の1日の練習内容や食事記録に注目し、前回のアドバイスに対してどうだったか、より具体的にお伝えしたいと思います。

「昼食と夕食以外に補食を2食プラスする」のアドバイスに対して

前回のチェック時には練習中にエネルギー不足になることが懸念されたため、エネルギー源となる糖質を練習前に摂ることをお勧めしました。また前回は、朝食を全く食べずに練習されていましたが、今回はバイク練習の30分前に消化に負担をかけないゼリーを1個食べておられて良いと思いました。昼食では野菜を摂るために肉野菜炒めを選んでいて、他にも豆腐や味噌汁、ご飯を大盛りと栄養バランスと量も意識されており、素晴らしいです。
また夜のスイムの練習前には、エネルギー不足を補うため、また夜遅くになりがちな夕食の分食としておにぎり1個とパン1個を摂っている点も良いと思います。参考までですが、練習前に食べるパンは脂質の少ないものが理想的です。ハム、レタス、トマトが入ったサンドイッチ、焼きそばパン、あんぱん、ジャムパンをお勧めします。

夜遅い時間帯は脂質の少ないものを

スイム練習後の夕食時間も21時半と遅くなるため、脂質を多く含んだり、油を多く使用する料理は控えることが望ましいですが、小原選手は胃に負担が少なく、かつ野菜も摂れる水炊き鍋にされている点も高評価です。豚バラ肉、ウインナーは脂質が多く、煮ることで脂質を落とすことができますが、鍋のお肉として選ぶとすれば、豚肉ではもも肉や肩肉、鶏肉ではむね肉やささ身、もも肉を選ぶことで、脂質の量を抑えることができます。また、冷凍餃子は脂質が少ないので、鍋の具材として食べるのも良いでしょう。さらに魚は脂質が少ないものが多いので、鍋で食べる場合だと鮭や白身の魚、練り製品だとつみれやはんぺん、ちくわをお勧めします。ここまで脂質の少ない食品を紹介しましたが、脂質が少ないといってたくさん食べると胃に負担をかけてしまうので、注意が必要です。ちなみに、小原選手の1日の食事状況から夜に食べるたんぱく質はお肉、お魚、卵、大豆製品から3~4品ぐらい食べるのが理想的です。

ラン練習前のスポーツドリンク

ここまではご回答いただいた食事記録の良いポイントをお伝えしましたが、一方で朝食をゼリーだけで済ませた後、バイクとランの練習をされているのが気になりました。ランの練習時に、エネルギー不足による疲れを感じたことはありませんか。もし、感じておられる場合は、エネルギーとなるスポーツドリンク(糖質が4~6%含まれるもの)をランの練習前に100mlぐらい飲むのが良いと思います。
もう一つ気になったのは、ランの練習が終わってから昼食までに2時間ほど時間が空いている点です。バイク、ランの練習によりエネルギーを多く消費しているため、疲れた体を回復させるためにも練習後1時間以内に少しでもエネルギー補給をすることが望ましいでしょう。そこで、手軽に糖質が摂れるおにぎりやバナナ、ゼリー飲料、おせんべい、おまんじゅう、カステラなどを昼食前に食べることをお勧めします。
1日の糖質量は体重1kgあたり5g摂取できていますが、午前中の糖質摂取量が少ないため、適宜練習内容に合わせて前述したスポーツドリンクや、おにぎりなどの補食で調整してみてください。

「牛乳・乳製品3品、大豆製品1品、海藻類1品、濃緑の野菜1品をそれぞれ毎日摂る」のアドバイスに対して

前回、カルシウムの摂取を増やすために上記のアドバイスをしました。今回、1日の食事記録を見ると、牛乳はスイム練習終わりにサン・クロレラAパウダーと一緒に摂取し、大豆製品は昼食と夕食のタイミングで豆腐や味噌汁を食べています。そして海藻類は昼食時に味噌汁の具材としてわかめを食べていて、それぞれ意識されていることがうかがえます。ただ、牛乳・乳製品はスイム練習後の牛乳のみだったので、他にもヨーグルトやチーズを1日のどこかのタイミングで食べることをお勧めします。例えば、昼食後に出先でも簡単に飲むことができるドリンクタイプのヨーグルトはいかがでしょうか。また、チーズは16時の初動負荷トレーニングが終わった後に、プロセスチーズを2個食べるのも良いと思います。
濃緑の野菜はほうれん草や小松菜にカルシウムが含まれるのでお勧めしていましたが、キャベツや白菜等の葉物の野菜にも含まれます。昼食の肉野菜炒めや夕食の水炊き鍋でキャベツや白菜を摂っていたので問題ないと思います。これからも骨密度を高く保つために、これらの食品を食べることを心がけてください。

いもや果物の摂取

今回プラスアルファのアドバイスとして、ビタミンCをさらに摂れるようにするために、いもや果物も食べるようにしましょう。ビタミンCはコラーゲンをつくるために必要で、骨や筋肉を保つ重要な栄養素です。さらには高い抗酸化作用があり、ストレスや風邪などの病気から体を守ってくれる働きがあります。例えばじゃがいもやさつまいもはビタミンCが含まれるので、昼食や夕食でそれらの食材を使った料理を選んでみてはいかがでしょうか。また、果物は朝食時にゼリーでみかんやパイナップルのゼリーを選ぶと、ビタミンCを比較的摂りやすいと思います。
最後にあらためて、小原選手は自身の活動状況に応じて前回のアドバイス内容を上手に取り入れられていると思いました。これからも水分補給を小まめに行い、補食を取り入れた栄養バランスの取れた食事を続けていただきたいです。

 前回の奥村の指導をしっかりと実践・継続し、今回はさらにワンステップ上のアドバイスを受けた小原選手は、「朝食をゼリーだけで済ませた後のラン練習では後半に体がしんどくなり、自分の走りが出来なくなることもあった」と明かし、「ラン練習前のスポーツドリンク100mlを試してみる」とコメント。奥村の指摘が、さらなる改善のきっかけになった。またそのほかの各種アドバイスにも新たな発見があった様子で、「今回、新たにいただいたたくさんのアドバイスを実践し、強い体作りをしていけたらと思います」と力強く宣言。すでに実践していた改善点に、今回の新たな発見が上乗せされ、小原選手は着実にトライアスリートの成長の階段を上っていく。

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