岡田大河
バスケットボールプレーヤー /Zentro Basket Madrid・SHIZUOKA GYMRATS
前回インタビューをしたのは昨年9月。2年目のシーズンを終え、一時帰国をしていたタイミングでのことだった。2019年に15歳でスペインリーグの下部組織(カンテラ)に加入した岡田大河選手。迎える3年目のシーズン直前で、自ら「勝負の年」と掲げ、飛躍への期待と意気込みを熱く語ってもらった(前回のインタビューはこちら)。
その後、スペインに戻った彼を待っていたのは、なんと17歳にしてプロ4部「EBA」での契約という、思いがけない栄誉だった。まさに彼のバスケット人生における今後の命運を左右する「勝負の年」となった2021〜2022シーズン。さらなる高みへと一歩ずつ確実に成長を続けている岡田大河選手に、プロとして迎えたファーストシーズンを振り返ってもらった。
17歳でのプロデビューを成功に導いた準備と自信
スペインのバスケットボールリーグは1部「ACB」を頂点に、2部「LEB Oro」、3部「LEB Plata」、4部「EBA」というピラミッド構造になっており、岡田大河選手のチームであるZENTRO BASKET MADRID(セントロ・バスケット・マドリード)は、メインチームが3部「LEB Plata」、セカンドチームが4部「EBA」に所属している。さらにその下に「ナショナル」というカテゴリーがあり、岡田大河選手がキャリアをスタートしたのは「カデーテ」と呼ばれる16歳以下のカテゴリーだった。
そこからわずか3年で、17歳の若き日本人がスペインリーグ「LIGA EBA(4部リーグ)」でのプロ契約を勝ちとったというだけでも驚くべきことだが、じつは岡田大河選手自身のなかには、すでに去年のうちからその予感はあったというのだからさらに驚きである。予感の根拠は、昨シーズンのジュニアリーグにおける目を見張る活躍にあったのだが、それはなにもプレイやスコアの面だけではない。コーチ陣からの絶大なる信頼。それが彼にたしかな自信をもたらしていた。昨年のZENTRO BASKET MADRIDのジュニアチームは完全に彼中心で構成され、ヘッドコーチからも「タイガは自由にやっていい」とゲームコントロールを任されるまでになっていた。また、すでに彼はジュニアより上のカテゴリーであるナショナルリーグの練習に参加してもいた。
岡田大河「前回のインタビューのあと、9月にスペインに戻ってチームに合流したら、いきなりLIGA EBAの練習に参加することになったんです。そうこうしてるうちにプレシーズンの練習試合に出してもらえて、しかもその試合でチームの決まりごとを含めて自分がしっかりプレーできた。そうしたらもう今シーズンはEBA中心でやっていくよと言われました。EBAを優先して練習やゲームをこなしつつ、ジュニアの試合にも出るということになったわけです」
勝負のシーズンを、プロ4部リーグである「LIGA EBA」で迎えた開幕戦。彼自身も準備は万端でコンディションもしっかり整えてきた。ゲーム開始からチームにしっかりとフィットし、プレータイム13分で12得点5アシストの大活躍。早速チームの勝利に貢献し、EBAのチームメートやヘッドコーチはじめとするコーチ陣からの信頼を獲得することに成功する。
岡田大河「ジュニアチームの仲間や寮の友人たちも応援しに来てくれていたので、彼らの前で自分の思い描いた通りのプレーを見せることができたことが、なによりうれしかったですね。自分にとっては、まだまだあくまで通過点でしかないと思っていますが、それでもここでいいスタートを切れたことで、年齢もキャリアも上の選手たちばかりの上のカテゴリーでもじゅうぶんにやれる、という自信になったことは大きなステップになったと思います」
「勝負の3年目」との覚悟で挑んだシーズンを振り返って
開幕戦での活躍で順調なスタートを切った岡田大河選手のプロ4部「EBA」でのファーストシーズン。その後も順調にプレータイムを伸ばし、彼が自身の目標とする1試合15分のプレータイムを確保することができた。シーズン後半に入ると、もはや15分では足りないとさえ感じるようになっていた。とりわけ彼がジュニアでコーチから絶賛されてきたゲームコントロールの部分、味方を活かしたプレーやアシストではEBAでも変わらず通用することがわかった。とりわけパスについては彼自身、成長を感じていたという。
岡田大河「バスケットの試合では、チームも自分もなかなか点が取れなくて苦しい時間帯というのが必ずあるんですけど、そういうときに、たった一本のパスでゲームの流れを変えたり、チャンスメイクをしたり。そういう決定的なプレーがEBAのチーム相手にも通用したことは自信になりました。いっぽうで自分のシュートが決まらなくて勝ち切れなかったゲームがあったことは課題でした。やはりEBAのレベルだと敵チームの戦術研究やスカウティングもしっかりしていて、序盤からフィジカル面で削られたり、要所要所で自分が狙われているなと感じることも多く、その影響でミスを連発したりすることがありました。もちろんジュニアと違って経験豊富なベテラン選手やフィジカルの強い選手もたくさんいて、バスケIQもレベルが高い。そこはまだまだアジャストしていく必要があるなと感じました」
上部リーグであるEBAの試合にも出場しながら、下部であるジュニアのスケジュールも同時にこなしていかなければならなかった今シーズンの岡田大河選手。ジュニアチームでの練習と、EBAチームでの練習。それに加えEBAに対応できるフィジカルを作るために筋トレを従来より多くこなし、そこにルーティンである自主練もこなさなければならない。もちろん17歳である彼には学校の勉強もある。肉体的にはかなりタフなシーズンだったはずだ。しかし彼は両方のチームの練習に参加し、いずれのリーグの試合でも出場できたことで得たものも多く、とても充実して過ごせたシーズンだったと振り返る。
岡田大河「ジュニアのほうではとくにゲームコントロールを任せてもらっていたこともあり、自分がチームを引っ張っていくんだという責任感を与えられていました。いっぽうでEBAのほうではやはりフィジカル面でも戦術面でもレベルの高いゲームを経験できたこと。とくにチームのヘッドコーチはスペイン代表でスカウティングを担当しているアシスタントコーチで確固たるチームビジョンを持った人です。だからぼくらはスペイン代表と同じレベルのバスケットをやっているともいえるわけですよね。ジュニアとEBAを行き来しながら、双方の環境でそれぞれ学びの多い環境に身を置けたことで、去年に考えていたプラン以上の経験ができたと思います」
朝のルーティンと栄養補給に欠かせないサン・クロレラAパウダー
チーム練習をこちらも1時間半から2時間。そのため、ほぼ1日中体育館で過ごすのだという。何事も自分で管理することが求められるため、練習の面でも食事などの私生活の面でも、彼はなるべく毎日のルーティンをしっかり決めて、同じことを繰り返しキープすることを心がけている。とくに食生活の面では、単身の外国生活ということもあり、難しさを感じることもある。
岡田大河「朝はしっかり栄養をとったほうがいいと思っているのですが、朝食は寮で用意されないので、毎朝自分で準備しています。パンを焼いて、かんたんな卵料理だけつくって食べているのですが、栄養面では心もとない。そこで牛乳にサン・クロレラAパウダーを溶かして、毎朝必ず飲むようにしています。とくに時間がないときでも素早く栄養補給できるのですごく便利で非常に助かっています。うっかり飲むのを忘れると、ついつい昼間に眠くなっちゃうことが多いので(笑)」
岡田大河選手が愛用しているということで、チームの選手にもサン・クロレラAパウダーが、にわかに注目されてきている。彼と寮で同部屋のジュニアの選手は、本人だけでなく家族で摂り始めたという。またEBAの選手たちからも「タイガ、今日はサン・クロレラ持ってるか?」と尋ねられ「持ってる」と答えると、次々と選手から求められるのだそうだ。いまでは所属チームのZENTRO BASKET MADRID全体でサン・クロレラ製品を飲用する契約も提携。チームが主催する栄養セミナーなどでもサン・クロレラ商品を紹介されている。また、サン・クロレラが企画・運営するU15を対象とした育成プログラム「GLOBALLERS(グローボーラーズ)」にも同チームがコミットすることが決定。若い選手の育成を、スポーツのみならず文化や言語学習などの教育面でも力を入れているZENTRO BASKET MADRIDとサン・クロレラとの協働は、岡田大河選手とのパートナー契約をきっかけに、さまざまな分野での架け橋へと発展している。